どんぐり君とおにぎり君の読書日記

こども(男子×2)と母による、本のブックレビューです。読んだ絵本・児童書・学習漫画などの簡単な内容、あらすじ、感想、私的おすすめ・まとめをご紹介。

作・富安 陽子さん、絵・大島 妙子さんの「オニのサラリーマン しゅっちょうはつらいよ」を読みました。~神在祭に出張に行くサラリーマンを、テンポのよい大阪弁で描いた作品。

作・富安 陽子さん、絵・大島 妙子さんの「オニのサラリーマン しゅっちょうはつらいよ」を読みました。

 

内容・あらすじ

前作『オニのサラリーマン』につづき、富安&大島の最強コンビによる地獄勤めのオニのお父ちゃん大奮闘の絵本第二弾です。
赤鬼のオニガワラ・ケンと同僚のオニジマは、えんまさまから出雲への出張を命じられ、年に一度おこなわれる「ぜんこく神さまサミット」の会場警備を手伝うことになりました。さっそくふたりは出雲行き臨時便の飛行船に乗りこみます。
出雲の玄関口、稲佐の浜に来てみれば、日本じゅうからやってくる神さまたちで大混乱。ふたりは案内やら警備やらに大車輪の働きをして、へとへとになってしまいます。ようやくほっと一息ついたところへ怪しい侵入者発見、これは放っておけないと“職務質問"をこころみますが……。
なんとかすべての神さまたちをお迎えし、神つどいの迎え太鼓が鳴り響きます。ぐっとくるリズムにツノはむずむず、もうたまらない。オニも妖怪も神さまも、みんないっしょに踊りだし、出雲の夜はふけていきます。
テンポのよい大阪弁で語られるお話は声に出して読むのもおすすめです。細部にわたって描かれた絵の中にいろいろなものを“発見"しながら、子どもも大人も一緒に楽しめることまちがいなしの一冊です。(Amazon内容紹介より)
 

幼児受け★★★★

この本を何度も借りてくる。気に入っている様子。

小学校低学年受け★★★

感想

大阪弁のリズムが詩のよう。

関東人の私が滑らかに読むのはなかなか難しいほどのこてこての大阪弁。
流れるように読もうとしたところ、もっとゆっくり読んでといわれてしまいました。
言葉に惹かれる絵本です。

神様が集まるお祭

鬼のサラリーマン・オニジマは出雲に出張に向かいます。
仕事は「ぜんこく神さまサミット」の会場警備とのこと。
出雲の国には全国津々浦々から神様が始まってきます。
 
この「ぜんこく神さまサミット」のモチーフは、出雲の神在祭り。
旧暦10月は全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲の国に集まる月と言われています。
他の土地では神様が留守になるので神無月といいますが、出雲ではこの月を神在月と呼びます。
 
というように説明されたところで、子供の頭にはイマイチぴんと来ず、一緒には残らないかもしれません。
でも、この絵本を読んだ後で、「ああ、あのぜんこく神様サミットは神無月のことだったんだ!」ってわかれば、一生この知識も記憶に残るかもしれません。
全国に神様が集まる時、地方から出雲に向かう神様は、もしかしたら家族を地元に残しているかもしれない。
神様だって家族がいて、地元に子供がいるかもしれない。
神無月という異世界の出来事と、出張という日常の見合わせがユニークな作品です。

おすすめ度★★★★

印象に残るとのインパクトの強い絵と、テンポの良い大阪弁で語られる作品。
オニや神様が登場する異世界観と、「出張」「サラリーマン」という現実感の組合わせが絶妙な作品です。

オニのサラリーマンシリーズは全三作

今回ご紹介した出張はつらいよは第2弾。
第一弾はこちら。
オニのサラリーマン (日本傑作絵本シリーズ)

オニのサラリーマン (日本傑作絵本シリーズ)

  • 作者:富安 陽子
  • 発売日: 2015/10/10
  • メディア: 単行本
 

 

 そして、第3弾がこちらです。

非日常の存在である「オニ」、日常の「サラリーマン」そして、大阪弁との組みあわせにより、独特の雰囲気を醸し出している作品です